講義コード 1222A
講義名 コンピュータシステム
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 春学期
講義区分
基準単位数 2
時間 0.00
代表曜日 月曜日
代表時限 2時限
開講学科 情報処理学科
必選別 選択
履修セメスター 第1セメスター
その他 e-Learning履修可
担当教員

職種 氏名 所属
准教授 ◎ 宮川 幹平 (指定なし)

講義概要
本講義では、この情報化社会の中核をなすコンピュータシステムの基本概念を中心に学習していく。コンピュータシステムとは、単にPC(パーソナルコンピュータ)だけにとどまらず、情報携帯端末、スーパーコンピュータ、AV機器、ゲーム機器、家電など、社会のありとあらゆるところに存在するものであり、その仕組みに関する基本的理解はこれからの社会人として必須の素養と言ってよい。
本講義の具体的な内容としては、コンピュータの基本構成、CPU等のプロセッサの構成、メモリの構成、補助記憶装置の特徴といったハードウェア的側面とオペレーティングシステムの役割を中心としたソフトウェア的側面に加え、情報処理システムの代表的な処理形態や、高信頼化(HA)、高性能化(HPC)のための構成技法などについて学ぶ。
到達目標
コンピュータシステムにおけるハードウェアとソフトウェアの仕組みについて理解を深め、情報処理技術者試験(基本情報技術者試験・ITパスポート試験)における当該分野の出題レベルに対応出来るようになる。具体的には、本授業の範囲について、ITパスポート試験・過去問題の60%以上に正答できるレベル(同資格試験の合格基準)を達成する。
履修のポイント及び留意事項
本授業は、情報処理技術者試験「基本情報技術者試験」「ITパスポート試験」における、コンピュータ構成要素、システム構成要素、システムの評価指標の内容に関係するほか、本学が実施する「基本情報技術者試験」午前試験免除認定講座の一部である。
 また、e-Learningとして履修する場合は、教員に事前に申し出るとともに、教材の閲覧や課題の提出だけでなく、定期的なメンタリング指導を受けることが求められることに留意すること。授業の一部をe-Learningで履修することも可能であるので、担当教員と相談すること。
講義日程
テーマ内容
第1週コンピュータと情報処理近年のコンピュータ形態(デスクトップ、モバイル、タブレット、スマートデバイス、ウェアラブルデバイス等)を踏まえ、コンピュータ構成(ハードウェアの五大装置・プログラム内蔵方式)とその処理の基本について学ぶ
第2週プロセッサとその基本処理各プロセッサ(CPU・GPU・DSP等)の機能・特徴とともに、CPUにおける命令語の構成と、命令実行サイクル、アドレス指定方法について学ぶ
第3週プロセッサの高速化技法逐次制御・パイプライン制御・スーパースカラ方式・VLIW方式・同時マルチスレッディング・マルチコア等、プロセッサの高速化技法について学ぶ
第4週記憶素子と主記憶装置RAM/ROM、DRAM/SRAM/マスクROM/PROM/UV-EPROM/EEPROM/フラッシュメモリ(NAND,NOR)等、各記憶素子の種類と特徴及び利用法とともに、メモリアクセス高速化の技法(キャッシュメモリ・メモリインターリーブ・デュアルチャネル)について学ぶ
第5週磁気ディスク装置磁気ディスクの構成と記憶容量、アクセス時間の計算方法、フラグメンテーションとデフラグの意味について学ぶ
第6週そのほかの補助記憶装置光ディスク・光磁気ディスク・磁気テープなどの特徴、ディスクキャッシュ(記憶階層)の概念について学ぶ
第7週入出力インタフェース代表的な入出力インタフェース(SATA,SCSI,PCI,PCIe,Express Card,USB,IEEE1394,IrDA,Bluetooth,DVI,HDMIなど)の種別とその特徴について学ぶ。
あわせて、ネットワークインターフェイス(NIC)の概要について学ぶ。
第8週ソフトウェアとプログラミングソフトウェアを作成する流れと言語プロセッサ(コンパイラ・インタプリタ・リンカ・ローダ等)、各プログラミング言語の特徴、プログラムの属性(リロケータブル・リエントラント・リユーザブル等)について学ぶ。
第9週ソフトウェアの分類とOSコンピュータシステムにおけるソフトウェアの分類とオペレーティングシステムの役割について概説する
第10週OSの役割(ジョブ管理・タスク管理)コンピュータシステムの性能指標(スループット・レスポンスタイム・ターンアラウンドタイム)及び効率的に処理を実施するためのジョブ管理・タスク管理(マルチタスク・マルチスレッド・割り込み)の手法について
第11週OSの役割(記憶管理・ファイル管理)オペレーティングシステムにおける実記憶管理・仮想記憶管理の手法及び階層ファイルシステムについて
第12週システムの処理形態集中処理と分散処理、クライアントサーバモデル、P2P、クラウドコンピューティングなどについて
第13週高信頼性システムの構成RASISの概念及び高信頼化および高性能化のためのシステム構成(多重構成)について
第14週RAIDシステムRAIDシステムの種類と特徴及びその計算問題について
第15週信頼性の評価稼働率・MTBF・MTTR・故障率の計算方法について

他の授業科目との関連
コンピュータに関する基礎知識を学ぶ「情報基礎」とは関連性が強く、本授業の内容を理解するための基盤となるため、先行して履修することを強く求める。また「コンピュータ科学基礎」とも関連が深い。
情報処理技術者試験対策として開講される「情報処理技術者A」では、本授業範囲に関する演習問題も実施されるため、理解深めるために有効であろう。
評価方法
原則として定期試験の結果(70%)と小テストの評価点(30%)を総合して評価する。但し、授業への取り組み姿勢(授業活動への参加姿勢・追加課題への取り組み・Web教材へのアクセス頻度等)によって、最終的な成績グレード(A1/A2/B/C/D)は、最大1段階上下する可能性がある。
教科書
イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室
栢木 厚 著 技術評論社
参考図書
ITパスポート合格教本 CBT対応 (情報処理技術者試験)
岡嶋 裕史 著 技術評論社
オフィスアワー(授業相談)
随時、宮川の研究室に直接訪問して良い。また、Web教材における質問相談フォーラムを活用することを推奨する。
学生へのメッセージ
授業時間外での自主的かつ継続的な取り組みが重要である。例えば、Web教材の閲覧や演習問題への挑戦を積極的に行うことが高評価につながるポイントである。また、テキストには授業で触れない箇所も多いが、それらの自己学習を進めた場合も平常評価に加える(報告は随時任意の形式で受け付ける)。質問も大歓迎である。

定期試験直前の対策は無論重要であるが、普段の取り組み(理解へのプロセス)こそ高く評価したいと考えている。「教わる」から「学ぶ」への一歩を、この科目を通じて踏み出して欲しい。
準備学習の内容
毎回の授業の最初には前週の内容に基づく小テストを実施する。当然成績にも反映されるので、配布プリントやテキストを中心としてよく復習しておくこと。