講義コード 1409A
講義名 コンピュータ科学基礎
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 春学期
講義区分
基準単位数 2
時間 0.00
代表曜日 水曜日
代表時限 2時限
開講学科 情報処理学科
必選別 選択
履修セメスター 第1セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
准教授 ◎ 宮川 幹平 (指定なし)

講義概要
本講義はコンピュータ科学の入門科目であり、情報理論、離散数学の基礎的内容を含む。具体的には、コンピュータにおける情報表現(整数・実数・文字・音声・画像等)、論理と集合、関係と写像、証明技法をトピックとして、コンピュータとプログラミングに関する数学的・理論的側面を学んでいく。
 IT技術者を希望する学生のほか、特に理工系4年制大学への編入学を希望している学生には、強く履修を勧める。
到達目標
コンピュータ科学の基礎理論について理解を深め、情報処理技術者試験(基本情報技術者試験・ITパスポート試験)における当該分野の出題レベルに対応出来るようになる。具体的には、本授業の範囲について、基本情報技術者試験・過去問題の60%以上に正答できるレベル(同資格試験の合格基準)を達成する。
履修のポイント及び留意事項
本授業は、情報処理技術者試験「基本情報技術者試験」「ITパスポート試験」における、基礎理論(テクノロジ分野)の内容に対応するほか、本学が実施する「基本情報技術者試験」午前試験免除認定講座の一部である。
 また、特に理工系編入希望の学生など、より深く数学的知識を得たいと考える場合は、正規授業とは別に開講する「数学勉強会(宮川主催)」への参加を推奨する。
講義日程
テーマ内容
第1週情報量の単位
コンピュータ上における情報表現の基本的な考え方について
情報量の単位と接頭辞の扱い方について
第2週コンピュータにおける数値表現(1) 進数表現の基礎数値情報をバイナリで表現する方法、進数表現と相互変換の方法について
第3週コンピュータにおける数値表現(2) 負数の表現1の補数、2の補数の概念と表現できる値の範囲について
第4週コンピュータにおける数値表現(3) 実数の表現とシフト演算固定小数点による実数表現とその特徴について
シフト演算(論理シフト・算術シフト)と乗除算の実現との関係について
浮動小数点表現の基本概念について
計算誤差を少なくする手法について
第5週コンピュータにおける数値表現(4) 実数表現と誤差浮動小数点表記の構成(正規化・バイアス値)と有効桁・表現範囲について
桁あふれ誤差・丸め誤差・桁落ち・情報落ち・打ち切り誤差について
第6週多様な情報表現代表的な文字コード、画像(ラスタ・ベクタ)・PCMによるアナログ情報のディジタル化(標本化・量子化・符号化)
第7週データ圧縮の基礎可逆圧縮・非可逆圧縮の概念、基本的なアルゴリズム、代表的なマルチメディアファイル形式
第8週ビット演算の基礎各ビット毎演算の基本定義と対応する論理演算、集合演算(ベン図の説明を含む)について
第9週ビット演算の利用マスク処理や加算の実現を通して、ビット演算の基本的な特徴を理解する
半加算器・全加算器の構成を理解する
第10週命題論理の入門命題の定義(命題変数・原始命題・二値論理・論理式の意味を含む)について
与えられた命題を論理式で構成する手法について(加法標準形・乗法標準形)
第11週等価な論理式の判定と構成真理値表・ベン図での確認、命題論理の公式を用いた論理式の展開・変形、カルノー図の利用
第12週集合論の入門集合の定義(外延的定義・内包的定義)、要素数・空集合・有限集合・無限集合・部分集合・べき集合の概念について
基本的な集合演算について
包除原理による要素数の計算方法(公式)について
第13週関係とその表現直積集合、関係の定義、逆関係、関係の表現手法(グラフ・行列)、特別な関係(同値関係・半順序関係・順序関係)、同値類分割の概念について
第14週写像の概念写像の定義、定義域・値域(像)、単射、全射、合成写像について
第15週証明の技法集合の大きさの比較と関数、対角線論法、鳩ノ巣原理、数学的帰納法と再帰的定義について

他の授業科目との関連
「コンピュータシステム」やプログラミング関係科目(「アルゴリズム」「ソフトウェアデザインI~IV」「WebプログラミングI~II」)との関連が深い。
また、理工系への編入学を希望する学生は「理工数学入門A及びB」を並行して受講することが望ましい。特に、本授業は「理工数学入門B」の履修条件ともなっている。
その他、本授業の内容は、「情報セキュリティ」「コンピュータネットワーク」「データベース」を理解する上での助けにもなるだろう。
評価方法
原則として定期試験の結果(70%)と小テストの評価点(30%)を総合して評価する。但し、授業への取り組み姿勢(授業活動への参加姿勢・追加課題への取り組み・Web教材へのアクセス頻度等)によって、最終的な成績グレード(A1/A2/B/C/D)は、最大1段階上下する可能性がある。
教科書
イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室, 栢木 厚, 技術評論社
参考図書
やさしく学べる離散数学, 石村園子, 共立出版, ISBN-13: 978-432001846-4
オフィスアワー(授業相談)
いつでも可(FacebookやMoodle上での相談も大歓迎)
学生へのメッセージ
コンピュータをより深く理解するための数学入門です。これまで数学が苦手だった学生さんも、怖がらずに受講するようにしてください。
準備学習の内容
毎回の授業の最初には前週の内容に基づく小テストを実施する。当然成績にも反映されるので、配布プリントやテキストを中心としてよく復習しておくこと。