講義概要 |
幼児期における健全な発育発達、成人期における健康の維持・増進、高齢期での介護予防には、適度な運動・スポーツが重要であることはよく知られている。運動指導の現場であるフィットネスクラブ、メディカルフィットネス、総合型地域スポーツクラブ等においては、それらを円滑に運営できる能力を有したマネジャーや確かな知識と技能を有した運動指導者の存在が求められている。
本授業は、公益財団法人 日本スポーツクラブ協会が認定する資格「中高老年期運動指導士」、「子ども身体運動発達指導士」および「介護予防運動スペシャリスト」のいずれか、または2つ以上の資格を取得するために、協会が発行するテキストに沿って所定の学習内容を理解した上で、協会によって審査を受ける課題レポートに取り組むものである。
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到達目標 |
・協会へ提出する課題レポートの作成に対して十分な知識を習得すること。
・課題レポートを作成する際、単にテキストの写しではなく自身の考えを自身の言葉で表現する能力を習得すること。
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履修のポイント及び留意事項 |
体育・スポーツ系での就職を希望する者は本科目を履修の上、当該資格を取得しておくことが望ましい。 |
講義日程 |
中高老年期運動指導士
週 | テーマ | 内容 |
第1週 | ガイダンス | 授業の概要(全体の構成、進め方、評価等)についての説明 | 第2週 | 生涯健康スポーツに関する知識 | ・運動実践からの中高老年期の特性理解
・健康・体力づくりのための運動実践理論
| 第3週 | 中高老年期の身体特性に関する知識 | 生理学的・医学的視点からの中高老年期の身体特性理解 | 第4週 | 運動の構造とその形成に関する知識 | ・運動欲求と健康・体力づくり、楽しさ・喜び体験の関係
・運動欲求の創出からの運動の構造とその形成の工夫
| 第5週 | 健康の維持と食習慣に関する知識 | ・生活習慣病と栄養・食生活の関係
・中高老年期の現状と望ましい食習慣
| 第6週 | 筋力および持久力の維持・向上に関する知識と実践1 | 筋力及び持久力からの中高老年期の特性理解(講義) | 第7週 | 筋力および持久力の維持・向上に関する知識と実践2 | 筋力及び持久力の維持・向上のための運動内容構成と実践方法(実習) | 第8週 | 調整力及び柔軟性の維持・向上に関する知識と実践1 | 調整力及び柔軟性からの中高老年期の特性理解(講義) | 第9週 | 調整力及び柔軟性の維持・向上に関する知識と実践2 | 調整力及び柔軟性の維持、向上のための運動内容構成と実践方法(実習) | 第10週 | 運動外傷・障害予防に関する運動の知識と実践 | ・運動外傷、運動障害等の理解と手当
・救急救護の基本的考え方と実際
| 第11週 | 課題レポートの作成方法についての解説 | 課題レポートの作成方法についての解説 | 第12週 | 課題レポート作成1 | 課題レポートの執筆 | 第13週 | 課題レポート作成2 | 課題レポートの執筆 | 第14週 | 課題レポート作成3 | 課題レポートの執筆 | 第15週 | まとめ | 全講義の総括 |
子ども身体運動発達指導士
週 | テーマ | 内容 |
第1週 | ガイダンス | 授業の概要(全体の構成、進め方、評価等)についての説明 | 第2週 | 子どもの身体運動発達と運動指導に関する知識 | 乳児期、幼児期、小学校低学年、小学校高学年の身体運動発達の理解と運動指導上の示唆 | 第3週 | 子どもの身体発達特性に関する知識 | 子どもの身長、プロポーション、器官(神経系、生殖系、リンパ系)等の身体特性の理解 | 第4週 | 子どもの新しい運動指導の方向と内容に関する知識 | ・学習指導要領の改訂と子どもの体力向上の理解
・体づくり運動の内容と方法
| 第5週 | 子どもにやさしい動きの指導方法に関する知識 | ・子どもの実情と動きの指導のあり方
・運動指導の専門性と動きの指導に役立つ情報提供
| 第6週 | 子どもと食育に関する知識 | ・食育基本法についての理解
・食習慣の基礎づくりとしての食事
・食事バランスガイドの理解
| 第7週 | 運動遊びカリキュラムに関する作成・工夫と実際 | ・子どもの運動遊びの特徴
・運動遊びカリキュラムの作成と実際
| 第8週 | 表現リズム・運動遊びに関する実践 | ・簡単なフォークダンスの実際
・表現遊びの実際
| 第9週 | 器械・器具における運動感覚づくりに関する実践 | マット、鉄棒、跳び箱などにおける運動感覚づくりの実際 | 第10週 | 用具を使っての運動感覚づくりに関する実践 | ボール、フラフープなどを使っての運動感覚づくりの実際 | 第11週 | 子どもの事故防止に関する実際 | ・子どもの不慮の事故の実態の把握
・応急手当の目的と実際
| 第12週 | 課題レポートの作成方法についての解説 | 課題レポートの作成方法についての解説 | 第13週 | 課題レポート作成1 | 課題レポートの執筆 | 第14週 | 課題レポート作成2 | 課題レポートの執筆 | 第15週 | まとめ | 全講義の総括 |
介護予防運動スペシャリスト
週 | テーマ | 内容 |
第1週 | 介護予防運動に関する知識 | ・介護予防のための運動の必要性
・介護予防運動指導者養成カリキュラムの作成・工夫 | 第2週 | 身体運動に係る概念用語に関する知識 | ・レジャー、レクリエーション、スポーツ、体育、運動などの概念の理解 | 第3週 | 中高老年期及び要介護者の身体特性に関する知識 | ・脳血管疾患、心疾患及びその憎悪要因となる高血圧、糖尿病、脂質異常症の理解
・転倒骨折、関節疾患、衰弱による筋力低下など運動器の障害の理解 | 第4週 | リハビリテーションに関する知識 | ・リハビリテーションに関する定義
・パーキンソン病の症状の理解
・軽度認知機能障害の概念 | 第5週 | 医学的視点からの介護予防運動に関する知識 | ・高齢者の病気の特徴
・老年症候群の定義
・高齢者に多く見られる疾病 | 第6週 | 理学療法学視点からの介護予防運動に関する知識 | ・高齢者の運動機能の特徴
・介護予防のための運動効果
・安全な運動のための留意点 | 第7週 | 筋力及び持久力の維持・向上に関する知識と実践 | ・加齢に伴う持久力の低下と改善
・高齢者に適した運動プログラムと実際 | 第8週 | 調整力及び柔軟性の維持・向上に関する知識と実践 | ・介護予防運動としての調整力及び柔軟性とその実際
・運動指導上の留意点 | 第9週 | 救急救護に関する知識と実際 | ・高齢者に起こりやすい事故と病気
・救急救護に必要なコミュニケーションの実際 | 第10週 | 測定評価に関する知識と実際 | ・測定評価の目的と項目の選択
・測定方法の選択と測定結果の活用 | 第11週 | 課題レポートの作成方法についての解説 | 課題レポートの作成方法についての解説 | 第12週 | 課題レポート作成1 | 課題レポートの執筆 | 第13週 | 課題レポート作成2 | 課題レポートの執筆 | 第14週 | 課題レポート作成3 | 課題レポートの執筆 | 第15週 | まとめ | 全講義の総括 |
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他の授業科目との関連 |
特になし |
評価方法 |
授業態度、課題レポートへの取り組み方などを総合的に判断する。尚、評価方法の詳細はガイダンス時に提示する。 |
教科書 |
課題レポート用テキスト(日本スポーツクラブ協会) |
参考図書 |
後日、紹介する。 |
オフィスアワー(授業相談) |
月曜1、2時限目、水曜1、2時限目、木曜3、4時限目 |
学生へのメッセージ |
単に資格取得を目指すだけでなく、実際にスポーツ現場での指導を志す学生の履修を希望する。 |
準備学習の内容 |
スポーツ分野科目の講義内容を復習した上で授業に臨むこと。 |