講義コード 1432J
講義名 理工数学入門B
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 秋学期
講義区分
基準単位数 2
時間 0.00
代表曜日 木曜日
代表時限 5時限
開講学科 情報処理学科
必選別 選択
履修セメスター 第2セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
准教授 ◎ 宮川 幹平 (指定なし)

講義概要
 本授業は、「理工数学入門A」「コンピュータ科学基礎」の内容から引き続き、理工系分野への就職及び編入学対策に臨むことができるようになることを目的として、大学初年次相当の入門数学を展開する。具体的には、線形代数学と離散数学の基礎を学ぶ。
到達目標
(1)行列の基本概念を理解し、その基本演算を行うことができる。
(2)連立一次方程式を、行列を用いて解くことができる
(3)掃出し法により逆行列を求めることができる(正則性の判定ができる)
(4)行列式の定義を理解し、その計算を行うことができる。
(5)ベクトル空間・部分空間の定義を理解する
(6)ベクトルの一次独立・一次従属、生成ベクトル、ベクトル空間(部分空間)の次元の概念を理解する
(7)行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる
(8)半順序集合・順序集合の定義を理解し、ハッセ図を用いることができる。
(9)代表的な束構造とその定義を説明できる。
(10)グラフの基本概念と用語を理解する。
履修のポイント及び留意事項
本授業は大学数学の入り口に過ぎない。特に問題演習についてはそれぞれが時間を作って学習を進めていく必要がある。また、理工系分野への就職・編入学の基盤とするために、授業とは別個に開講する「数学勉強会(宮川主催)」への参加を強く推奨する。
講義日程
テーマ内容
第1週線形代数学(1)平面と空間のベクトル、その演算
第2週線形代数学(2)行列の定義と演算
第3週線形代数学(3)線形写像の定義
線形写像と行列との関連
第4週線形代数学(4)行列の基本変形、行列の階数
連立一次方程式の解法
第5週線形代数学(5)掃き出し法による逆行列の計算(正則性の判定)
第6週線形代数学(6)行列式の定義と展開
第7週線形代数学(7)ベクトル空間の定義
ベクトルの一次結合
部分空間の定義、部分空間の生成系
第8週線形代数学(8)一次独立と一次従属
行列式と一次独立性の関係
第9週線形代数学(9)ベクトル空間の基底、次元
第10週線形代数学(10)固有値と固有ベクトル
第11週線形代数学(11)行列の対角化
第12週離散数学入門(1)順序集合とハッセ図
第13週離散数学入門(2)束とブール代数
第14週離散数学入門(3)グラフの定義と表現(隣接行列)
経路、連結性
様々なグラフ(木・森・完全グラフ・正則グラフ・2部グラフ)
第15週離散数学入門(4)平面的グラフ・オイラーグラフとハミルトングラフ、グラフの彩色問題の紹介

他の授業科目との関連
「コンピュータ科学基礎」及び「理工数学入門A」を受講済みであることを履修条件とする。
評価方法
原則として定期試験や小テストの結果を基本として評価する。但し、授業への取り組み姿勢(出席・教員からの問いかけに対する積極姿勢・追加課題への取り組み・勉強会への参加状況等)によって、最終的な成績グレード(A1/A2/B/C/D)は、最大1段階上下する可能性がある。
教科書
やさしく学べる基礎数学―線形代数・微分積分―
石村 園子, 共立出版

やさしく学べる離散数学
石村園子, 共立出版
参考図書
より高度な(理工系初年次レベルの)テキストとしては、
・線形代数学(日本評論社)
を挙げる。

その他、適宜紹介する
オフィスアワー(授業相談)
いつでも可。
学生へのメッセージ
IT技術者をはじめとして、理工分野を進路として考えた際に、最低限理解しておくべき数学知識についての科目です。この授業で展開する内容を切り口として、数学に関する自己学習を進めるようにしてください。授業範囲を超えた質問にも応じます。
準備学習の内容
予習として、テキストの当該範囲については事前に読み込んでおくこと。また、日頃の積み重ねが非常に重要となる科目であり、復習として問題演習に取り組み、さらに先に進んでも対応できるようにしておくこと。