講義コード 1431A
講義名 理工数学入門A
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 春学期
講義区分
基準単位数 2
時間 0.00
代表曜日 金曜日
代表時限 5時限
開講学科 情報処理学科
必選別 選択
履修セメスター 第1セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
准教授 ◎ 宮川 幹平 (指定なし)

講義概要
 現在、大学生がこれまで数学をどの程度学習してきたか、そして、どの程度理解しているかは、高校時代の在籍科(普通科・商業科・工業科・総合科等)や分野別クラス分け(特進・理系・文系等)などにより、一人ひとり大きな違いがある。
 「理工数学入門」の授業シリーズでは、これまでの学修経歴に関わりなく、理工系分野への就職及び編入学対策に臨むことができるようになることを目的とした、大学初年次相当の入門数学を展開する。「理工数学入門A」では、微分積分学(一変数関数・二変数関数)の基礎を学ぶ。
到達目標
以下に示す範囲の問題に対応できる:
(1)数列/関数の極限(極限値の計算・ε-δ論法の理解)
(2) 1変数関数の微分/積分(微分/不定積分/定積分の計算問題・グラフ概形描画・各種定義や定理に関する説明)
(2)2変数関数の微分/積分(偏微分の計算、接平面関数と極値の計算・逐次積分/重積分の計算)
履修のポイント及び留意事項
本授業は大学数学の入り口に過ぎない。特に問題演習についてはそれぞれが時間を作って学習を進めていく必要がある。また、理工系分野への就職・編入学の基盤とするために、授業とは別個に開講する「数学勉強会(宮川主催)」への参加を強く推奨する。
講義日程
テーマ内容
第1週有界な実数集合の特徴実数集合に対して、最大・最小・有界・上界・下界・上限・下限の違いを理解する。
区間(開区間・閉区間)とは何かを理解する。
第2週数列の収束と極限値
数列の収束をε-N論法で表現できる。
ネイピアの数の定義を理解する。
初等的な数列の極限値を計算できる。
第3週一変数関数とその極限直線・放物線・円・楕円・双曲線・三角関数・逆三角関数・指数関数・対数関数の性質について、グラフの概形とあわせて理解する。
関数の極限(右極限・左極限を含む)の定義について、ε-δ論法で表現できる
初等的な関数の極限値を計算できる。
第4週連続関数の性質連続・右連続・左連続・連続点・不連続点の定義を説明できる。
初等的な関数について、連続性を判定できる。
中間値の定理と最大値・最小値の定理を理解する
単調増加(減少)の性質と逆関数との関わりについて理解する
第5週微分の定義とその計算(1)微分係数の定義を説明できる。
接線及び法線の方程式を求めることができる。
微分可能性と連続性との関わりを理解する。
初等的な関数の導関数を計算できる。
各種基本公式、合成関数の微分を理解する。
第6週微分の定義とその計算(2)初等的な関数(指数関数・対数関数・三角関数・逆三角関数)の導関数を計算できる。
対数微分法を理解する。
第7週高階導関数、平均値の定理高階導関数の定義、Cn級の意味、ライプニッツの定理による高階導関数の計算方法について理解する
ロルの定理、コーシーの平均値の定理、ラグランジェの平均値の定理の意味を理解する。
第8週マクローリン展開、不定形の極限(ロピタルの定理)、関数の増減とグラフの凹凸関数の増減と極大・極小の概念を理解する。
初等的な関数について、その極大値・極小値・変曲点・最大値・最小値・極限を含め、グラフ概形を描画できる。
関数のテイラー展開・マクローリン展開を求めることができる。
ロピタルの定理を用いて、不定形の極限値を求めることができる。
第9週不定積分と原始関数不定積分の定義を理解する
初等関数の不定積分を計算できる。
第10週置換積分・部分積分の技法置換積分・部分積分の技法を用いて不定積分を求めることができる。
有理関数の積分のパターンを理解し、積分計算に活用できる。
第11週定積分の定義、微分積分学の基本定理定積分の定義と微分積分学の基本定理を理解する。
初等関数の定積分を計算できる。
第12週積分(不定積分・定積分)の計算演習
広義積分の概念
積分の計算演習を行う。
広義積分の意味を理解し、計算できる。
第13週2変数関数と偏微分法 2変数関数の概念・例とともに、偏微分の概念を理解する。
初等的な関数の偏導関数を計算できる。
第14週接平面と極値の計算 全微分の概念を理解する。
接平面の関数を計算することができる。
高階偏導関数と極値の計算方法を理解する。
第15週重積分と逐次積分初等的な関数の重積分について、逐次積分に変換して計算ができる。

他の授業科目との関連
「コンピュータ科学基礎」における離散数学の内容は、数学的理解を深める上で有用である。また、本授業は「理工数学入門B」の履修条件である。
評価方法
原則として定期試験の結果を基本として評価する。但し、授業への取り組み姿勢(出席・教員からの問いかけに対する積極姿勢・追加課題への取り組み・勉強会への参加状況等)によって、最終的な成績グレード(A1/A2/B/C/D)は、最大1段階上下する可能性がある。
教科書
やさしく学べる基礎数学―線形代数・微分積分―
石村 園子, 共立出版
ISBN番号
978-4-320-01683-5
参考図書
より高度な(理工系初年次レベルの)テキストとしては、
・微分積分学序論(学術図書出版社)
を挙げる。

SE/PG希望者であれば、
・ゲーム開発のための数学・物理学入門(ソフトバンククリエイティブ)
も参考になるだろう。

その他、適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談)
いつでも可。
学生へのメッセージ
IT技術者をはじめとして、理工分野を進路として考えた際に、最低限理解しておくべき数学知識についての科目です。この授業で展開する内容を切り口として、数学に関する自己学習を進めるようにしてください。授業範囲を超えた質問にも応じます。
準備学習の内容
予習として、テキストの当該範囲については事前に読み込んでおくこと。また、日頃の積み重ねが非常に重要となる科目であり、復習として問題演習に取り組み、さらに先に進んでも対応できるようにしておくこと。