講義コード 1408A
講義名 ICT総合演習
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 春学期
講義区分
基準単位数 2
時間 0.00
代表曜日 木曜日
代表時限 2時限
開講学科 情報処理学科
必選別 選択
履修セメスター 第1セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
准教授 ◎ 宮川 幹平 (指定なし)

講義概要
ITの著しい発展に伴い、PCだけでなく、AV家電やゲームコンソール、スマートフォン、各種ディジタルガジェット等、様々な機器がネットワーク接続する機能を持ち、家庭における利便性向上に寄与している。本授業においては、これらの機器によって、オフィスや家庭内のネットワークをどのように構築するのか、また、構築することによってどのようなことができるようになるのか、実践的に学ぶ。
具体的には、PCのセットアップから、インターネット接続方法、セキュリティ対策のほか、有線/無線ネットワークによるホームネットワークの構築技法、AV家電との連携によるコンテンツ共有、クラウドサービスの活用や障害からの復旧方法について、講義と実習形式(グループ学習)を併用しながら理解を深めていく。
到達目標
(1)先端のITを活用することによって、家庭はどれだけ便利になるのか、簡単に論述できる。
(2)購入したPCやAV家電、ネットワーク機器等のセットアップを行なうことが出来る
(3)利便性と安全性を兼ね備えたオフィスネットワーク・ホームネットワークの構築と活用を行なうことが出来る
(4)IT分野に関する理論や技術に関して、より深く学びたいという意欲を持つ。
履修のポイント及び留意事項
グループによる実習活動を行なうことがあるが、他人任せにせず、積極性と責任感を持って取り組むことを求める。また、実習活動を「やっただけ」にせず、その経験を自分の糧とするために、その活動記録をレポートとして残すことを当然として行えるよう期待する。
講義日程
テーマ内容
第1週オフィス/ホームのディジタルネットワーク化とはPC/AV家電/IT家電/スマートフォン等によって構成されるオフィスネットワーク・ホームネットワークの概要と、それによって実現できる事柄について、先端事例を挙げながら講義を行う。
第2週PCのセットアップ購入したばかりの状態から、どのようにしてPCが利用出来る状態にできるのか。
PCを構成するハードウェアの接続や、ソフトウェアのインストール、初期設定等について、マニュアル確認や推測、Web調査を駆使して実践する。
第3週インターネット接続契約代表的なインターネットへの接続方法(光ファイバ・ADSL・CATV・3G回線等)について、その特徴と比較を行なうとともに、モバイルルータの活用などの新しい通信形態や契約上のポイントについて解説する。
第4週セキュリティ対策基礎ITを利用する上で最低限身につけなければならないセキュリティの知識/技術について概説するとともに、セキュリティ対策の基本について講義を行う。
第5週ウィルス対策とセキュリティアップデートウィルス対策ソフトウェアの技術的概要を説明するとともに、ウィルス対策ソフトウェアのインストールと運用について実習する。また、OSや代表的アプリケーションのセキュリティアップデートの方法について理解を深める。
第6週PCの利便性向上PCの利便性を向上するフリーウェア及びオープンソースソフトウェア(OSS)を紹介するとともに、それらのインストール方法、利用方法及び注意点について、実習を交えて学習する。
第7週ホームネットワーク構築PCやネットワークプリンタ、NAS、スイッチ、ブロードバンドルータ等から構成されるホームネットワークの構築技法について、実習を交えて学習する。
第8週無線LANとセキュリティ無線LANの仕組み(インフラストラクチャモード/アドホックモード・SSID・IEEE802.11a/b/g/n等)とその設定、特にセキュリティ対策(MACアドレスフィルタリング・WEP・WPA/WPA2・IEEE802.1X等)について講義を行う。
第9週無線LAN環境の構築無線LAN接続機器の設定とその利用法について、実習を交えて学習する。
第10週AV家電とホームネットワークディジタルTVやHDDレコーダー、ゲームコンソールなど、ネットワーク接続機能を用いるAV家電の設定とその活用について、実習を交えて学習するとともに、ビデオやミュージックなどのコンテンツを共有するために枠組み(DLNAやDTCP-IP)について理解を深める。っv
第11週クラウドコンピューティング概論ネットワークを通じてコンピュータシステムの機能や環境を提供するクラウドコンピューティングの概要と、その形態(SaaS/PaaS/IaaS)・特徴等について講義を行う。
第12週クラウドサービスの利用Googleサービスを中心として、DropboxやEvernote等、利便性を向上させるクラウドサービスを紹介し、その利用法について実習を交えて学習する。
第13週リモートアクセスインターネットからホームネットワーク内のリソースにアクセスする方法について、その設定やセキュリティ上の注意点を含めて学ぶ。
第14週バックアップとリカバリーデータの定期的なバックアップ手法とトラブルからの修復・復帰方法について実践的に学ぶ。あわせて、トラブルの際に有用な情報源についても紹介する。
第15週筆記試験これまでの内容についての理解度を筆記試験形式にて問う。
ホームネットワークの利便性を享受するために、様々なシチュエーションにおいて適した行動や利用するべき機器・技術について理解することが必要である。

他の授業科目との関連
理解のために前提となる科目はない。
本授業で実践したことの理論背景や技術については「情報基礎」「コンピュータ科学基礎」「コンピューターシステム」「システムマネジメント」「情報セキュリティ」「コンピュータネットワーク」「データベース」等で学ぶことが出来る。
評価方法
以下の観点をもとに総合評価を行う
・出席及び実習態度を含む授業姿勢(15%)
・実習に対する活動レポートの内容(50%)
・筆記試験の成績(35%)
特に、レポートと定期試験の内容を重視する。なお、上記括弧内のパーセンテージは成績の基本配分であるが、単純な合計のみによって成績グレード(A/B/C等)が決定されることを意味するものではなく、成績グレード毎に、レポート及び定期試験について求められる最低基準が設定されていることに注意のこと。
教科書
特定の教科書は利用しない。資料についてはWeb教材(Moodle)上に展開する。
参考図書
授業時間中に適宜紹介する
オフィスアワー(授業相談)
随時、宮川の研究室に直接訪問して良い。
なお、Facebookにおいて、授業用グループを構築している(https://www.facebook.com/groups/269205783170059/)。このページから適宜、最新情報を提供するので、チェックすることを推奨する。
学生へのメッセージ
本授業は、現在のITを肌で感じ、学生諸君のこれからの学びの方向を明確にすることを目的とした授業である。
知識を前提とせずに実践を行うため、失敗も数多くあると思うが、それらを恐れること無く、「こうやったたらどうなるだろう?」というクエスチョンを常に意識して、授業に望んで欲しい。また授業時間だけでなく、自分や家庭のPCやネットワーク環境を用いて自主的な実習を重ねていくことがポイントである(これらの活動は成績にも反映させていく)。
準備学習の内容
ITとその応用に関して興味を持ち、アンテナを張ること。特に興味をもった内容についてノート・メモを記載しておくこと。これらは授業姿勢の現れとして評価の対象とする。