講義コード 1235J
講義名 ICT経営論
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 秋学期
講義区分
基準単位数 2.00
時間 0
代表曜日 火曜日
代表時限 2時限
開講学科 情報処理学科
必選別 選択
履修セメスター 第2セメスター
その他 e-Learning履修可
担当教員

職種 氏名 所属
准教授 ◎ 宮川 幹平 (指定なし)

講義概要
 パソコンやインターネットなど、情報技術の成果というべき機器や仕組みを単に指示されたとおりに使えるだけでなく、実践的に仕事や生活に応用・活用し、さらに企業における各部署の情報化を推進するリーダー的役割を果たしていけるような人材となるために必要な知識として、情報化と企業経営との関わりを中心に学習を進める。
 具体的には、情報システムの活用事例、企業における経営戦略、マーケティング戦略、情報分析手法、プロジェクトマネジメント、および、関連する法律知識などが挙げられる。
 いままで一利用者としてコンピュータと触れてきただけではなかなか触れることのない知識が多く含まれており、情報技術を今後も仕事や趣味に活用していきたいと思う学生全てに受講を推奨する。特に、将来技術者を目指す学生や経営学・理工情報分野への編入学を希望する学生については履修を強く勧める。
到達目標
企業組織の経営と情報化との関わりについて理解を深める。
また、情報処理技術者試験(基本情報技術者試験・ITパスポート試験)における当該分野(ストラテジ分野・マネジメント分野の一部)の出題レベルに対応出来る。
履修のポイント及び留意事項
本授業は、情報処理技術者試験「基本情報技術者試験」「ITパスポート試験」における、企業と法務、経営戦略、システム戦略の内容に関係するほか、本学が実施する「基本情報技術者試験」午前試験免除認定講座の一部である。
 毎回の授業の最初には前週の内容に基づく小テストを実施する。当然成績にも反映されるのでよく準備しておくこと。出題する問題はWeb教材として解説もあわせて公開しているので、各自時間を見つけて閲覧・学習することを推奨する。
 また、e-Learningとして履修する場合は、教員に事前に申し出るとともに、教材の閲覧や課題の提出だけでなく、定期的なメンタリング指導を受けることが求められることに留意すること。授業の一部をe-Learningで履修することも可能であるので、担当教員と相談すること。
講義日程

テーマ内容
第1週導入:IT新時代におけるビジネスとは企業及び企業の掲げる戦略とはどのようなものがあるか。企業における情報化推進リーダーの重要性について
第2週企業組織と人材教育技法企業の組織形態と業務の流れ、人材教育手法などについて
第3週アイディア創出・情報分析のための手法ブレーンストーミング・バズセッション・KJ法・デルファイ法、及び、親和図・連関図・系統図・マトリックス図・特性要因図の特徴と用途について
第4週情報分析の基礎と図示表現統計の基礎知識と品質管理の概要とともに、各種グラフの特徴・分析について、PCを活用しながら学ぶ。
・パレート分析
・散布図と相関関係
第5週情報分析とビジネスプロセスのモデリング手法管理図・DFD・E-R図・決定表について
第6週オブジェクト指向とUMLオブジェクト指向の基本概念とその図示表現について
第7週経営戦略立案に向けたビジネス情報分析の手法SWOT分析・PPM分析・プロダクトライフサイクルプロセス・BSC・CSF・KPI/KGIについて
マーケティングの基本的な考え方について
第8週ビジネスインダストリビジネスの現場で活用されている様々なシステムの特徴について
第9週在庫管理・発注管理の手法ニ棚法・定量発注方式・定期発注方式の特徴、安全在庫量・経済的発注量の計算、棚卸し評価手法について
第10週プロジェクトマネジメントの基礎PMBOKの体系・構成について
第11週プロジェクトマネジメント(日程管理)PERTに基づくプロジェクト管理手法について
第12週知的財産権入門(1)著作権制度の基本として、著作人格権・著作財産権・著作隣接権などの権利の種類のほか、著作権の及ぶ範囲などについて学ぶ
第13週知的財産権入門(2)産業財産権(特許権・実用新案権、意匠権、商標権)の基本と不正競争防止法等の関連法規に関する知識とともに、これらの知的財産を合法的に活用するためのライセンス制度やフェアユース法理等について学ぶ
第14週セキュリティ法規個人情報保護法や不正アクセス禁止法、迷惑メール防止法や各種刑法などについて
第15週労働とその契約請負・派遣・委任・出向といった労働の形態に関わる知識と、労働基準法・労働者派遣法・職業安定法等で規定される労働者としての権利・義務について


他の授業科目との関連
「情報処理技術者A及びB」では、本授業範囲に対応する問題演習を行うため、理解を深めるために有用であろう。
また、マネジメントという観点からは「システムマネジメント」と、ビジネスという観点からは「ビジネス基礎」と関連が深い。
評価方法
原則として定期試験の結果(70%)と小テストの評価点(30%)を総合して評価する。但し、授業への取り組み姿勢(出席・教員からの問いかけに対する積極姿勢・追加課題への取り組み・Web教材へのアクセス頻度等)によって、最終的な成績グレード(A1/A2/B/C/D)は、最大1段階上下する可能性がある。
教科書
平成26年度 ITパスポート合格教本 CBT対応 (情報処理技術者試験)
岡嶋 裕史 著 技術評論社
ISBN番号
ISBN-13: 978-4774160924
参考図書
(1)平成26年度 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室 栢木 厚 著 技術評論社
ISBN番号 ISBN-13: 978-4774160917

(2)平成26-27年度 ITパスポート 試験によくでる問題集 CBT対応
岩代 正晴、新妻 拓巳 著 技術評論社
ISBN-13: 978-4-7741-6098-6

(3)コンピュータシステムの基礎 第16版
アイテック
ISBN-13: 978-4872689518
オフィスアワー(授業相談)
随時、宮川の研究室に直接訪問して良い。また、Web教材における質問相談フォーラムを活用することを推奨する。
学生へのメッセージ
授業時間外での自主的かつ継続的な取り組みが重要である。例えば、Web教材の閲覧や演習問題への挑戦を積極的に行うことが高評価につながるポイントである。また、テキストには授業で触れない箇所も多いが、それらの自己学習を進めた場合も平常評価に加える(報告は随時任意の形式で受け付ける)。質問も大歓迎である。授業は教員の独演会であってはならないというのが私の考えである。

定期試験直前の対策は無論重要であるが、普段の取り組み(理解へのプロセス)こそ高く評価したいと考えている。「教わる」から「学ぶ」への一歩を、この科目を通じて踏み出して欲しい。