講義コード 1246A
講義名 数学基礎
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 春学期
講義区分
基準単位数 2.00
時間 0
代表曜日 火曜日
代表時限 5時限
開講学科 両学科
必選別 随意
履修セメスター 第1セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
准教授 ◎ 宮川 幹平 (指定なし)

講義概要
 現在、大学生がこれまで数学をどの程度学習してきたか、そして、どの程度理解しているかは、高校時代の在籍科(普通科・商業科・工業科・総合科等)や分野別クラス分け(特進・理系・文系等)などにより、一人ひとり大きな違いがある。
 本授業においては、これまでの学修経歴に関わりなく、就職試験及び編入学試験対策に臨むことができるようになることを目的に、高校数学相当の基礎教育(リメディアル教育)〜大学初年次相当の入門数学を展開する。
 具体的には、(a)SPI試験の非言語分野において出題されている、関数とそのグラフ・図形の解釈・数的推理の問題に対応するための知識、(b)理工系の学習を進める上で基盤となる微分積分学、線形代数学、離散数学の入門的知識を中心として学習する。
 これらは、履修者の学習状況や志望に基づいて、クラス分けや授業外活動を取り入れながら実施する。
到達目標
[一般職就職志望及び文系編入学志望]
SPI試験非言語分野における数学問題に対応できる(模擬試験において60%以上の正答率)
(1)関数とグラフ:一次関数・二次関数・指数関数・対数関数・二次不等式等
(2)図形の解釈:角度・三角関数・ベクトル・面積等
(3)数的推理:数列・n進法・順列組み合わせ・集合・確率・統計等

[SE/PG就職志望及び理工系編入学志望]
理工系編入学試験(数学)及び基本情報技術者試験(応用数学等)の問題に対応できる
(1)数列/関数の極限・1変数関数の微分/積分
(2)行列計算・行列式・連立一次方程式の解法
(3)集合論理・グラフ構造の基礎
履修のポイント及び留意事項
受講者の学習経歴や理解度、将来目標等に応じて、以下のほか、さらに高度な内容や興味のある内容についても柔軟に対応する。
・2変数関数の微分(偏微分・全微分)/積分
・ベクトル・線形空間・固有値と固有ベクトル
・関係と写像、順序集合と束
・オイラーグラフ/ハミルトングラフ、グラフの連結性、グラフの平面性、グラフ彩色、経路探索アルゴリズム

授業時間に限らず、自主的に多くの問題に取り組む姿勢が求められる。また、授業時間外にも別途連動する勉強会の時間(週1コマ以上)を設ける。
講義日程

[一般職就職志望及び文系編入学志望]
テーマ内容
第1週関数とグラフ(1)関数の基礎
第2週関数とグラフ(2)一次関数と二次関数
第3週関数とグラフ(3)不等式の利用
第4週関数とグラフ(4)指数関数と対数関数
第5週確認試験(1)関数とグラフ分野についての試験によって理解度を確認し、その回答に対する個別指導を行う。
第6週図形の解釈(1)三角形・四角形・円とその角度
第7週図形の解釈(2)三角関数とその性質
第8週図形の解釈(3)ベクトルと行列
第9週図形の解釈(4)面積と体積
第10週確認試験(2)図形の解釈分野についての試験によって理解度を確認し、その回答に対する個別指導を行う。
第11週数的推理(1)数列・n進法の概念
第12週数的推理(2)順列・組み合わせ
第13週数的推理(3)集合と包除原理
第14週数的推理(4)確率・統計
第15週確認試験(3)数的推理分野についての試験によって理解度を確認し、その回答に対する個別指導を行う。

[SE/PG就職志望及び理工系編入学志望]
テーマ内容
第1週導入と高校数学の復習・数と区間の定義
・関数とグラフの定義
・代表的な関数の例(直線・放物線・円/楕円・三角関数・指数関数・対数関数)
・三角関数/指数関数/対数関数の性質
第2週微分積分学入門(1)・極限の定義(数列・関数)
・ネイピアの数の定義
・関数の連続性の定義と判定
第3週微分積分学入門(2)・微分係数の定義
・導関数の定義
・代表的な関数の導関数計算
第4週微分積分学入門(3)・微分計算の公式/手法(合成微分・対数微分等)
・n次導関数
・微分とグラフ概形
第5週微分積分学入門(4)・平均値の定理
・ロピタルの定理
・テイラー展開/マクローリン展開
・関数の近似手法(マクローリン展開/二項展開等の利用)
第6週微分積分学入門(5)・不定積分の定義
・不定積分計算のための公式・手法(置換積分・部分積分等)
第7週微分積分学入門(6)・定積分の定義と面積
・微分積分学の基本定理
・微分積分分野のまとめ
第8週線形代数学入門(1)・行列の定義と計算(和・スカラー倍・積)
・零行列・単位行列・逆行列・正則行列の定義
第9週線形代数学入門(2)・連立一次方程式と係数行列
・行列の基本変形と階数(rank)
第10週線形代数学入門(3)・連立一次方程式の解法
・同次(斉次)連立一次方程式の性質
第11週線形代数学入門(4)・逆行列の計算
・行列式の定義とその計算(展開)
第12週線形代数学入門(5)・行列式の計算(続き)
・正則性の判定
・クラメルの公式による連立一次方程式の解法
・線形代数分野のまとめ
第13週離散数学入門(1)・集合の定義(要素・全体集合・空集合・部分集合・べき集合・有限集合・無限集合等)
・論理演算の定義(全称記号・存在記号)
・集合演算の定義と計算
・ド・モルガンの法則
第14週離散数学入門(2)・命題論理の基礎
・論理演算の定義とその計算
第15週離散数学入門(3)・グラフ構造の定義(頂点・辺・次数等)
・代表的なグラフ構造(木・完全グラフ・正則グラフ・2部グラフ・平面グラフ等)
・グラフの表現(隣接行列・隣接リスト)


他の授業科目との関連
純粋な数学知識としては、情報処理技術者A〜Cと関連する。
就職・編入に向けての知識としては、キャリアプラニングのほか、キャリア研究A・Bをはじめとしたキャリア教育補助科目群と関連する。
評価方法
定期的に実施する確認筆記試験の結果や、出席回数、受講態度や課題への取組状況により、総合的に合否を判定する。
教科書
なし
参考図書
理工系編入学希望者のうち、特に高校時代の数学に自信が無い者は、以下の書籍を購入することを強く勧める:
・やさしく学べる微分積分学(共立出版)
・やさしく学べる線形代数(共立出版)
・やさしく学べる離散数学(共立出版)

SE/PG希望者であれば、
・プログラマの数学(ソフトバンクパブリッシング)
・ゲーム開発のための数学・物理学入門(ソフトバンククリエイティブ)
も参考になるだろう。

その他、適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談)
いつでも可
学生へのメッセージ
経済・経営分野を含み、数学的思考が求められる分野への進路(就職・編入学)を希望する場合には特に履修を勧める。

なお、本科目をはじめ、キャリア教育補助科目群は、合格しても卒業単位には加算されない。しかし、学生諸君の今後の人生にとって、その重要性は決して劣るものではない。これらを義務ではなく自らが成長できるチャンスと捉え、高い意識を持って授業に参加して欲しい。また、第2セメスター以降の自主学習の基盤ともなるものである