講義コード 1273A
講義名 地域文化圏研究(アジアA)
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 春学期
講義区分
基準単位数 2.00
時間 0
代表曜日 火曜日
代表時限 4時限
開講学科 国際文化学科
必選別 選択
履修セメスター 第3セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
教授 ◎ 林 鍾大 (指定なし)

講義概要
 異文化圏地域研究の目的は、その地域に対する理解を深めることにある。従って、まずは、その地域の持つ諸特性、つまり、政治・経済・文化・社会・言語・歴史などに対する理解をより深める必要がある。本授業の前半部では、韓国語文化圏地域の中心を成す韓国・朝鮮に対して、知り得る限りでの政治・経済・文化・社会・言語・歴史などに対する理解を深めていく。その具体的な内容は、現状に対する説明というより、現状に到った背景や理由を探るものになる。
異文化圏地域研究のさらなる目的は、自国のものと違う異文化圏の諸特性に触れることによって自然に触発される、自国の文化と異文化との間に存在する普遍性や異質性の認識の発掘にある。異文化圏の様々な現象に接することによって、自分が持っているものとの間に、あるいは普遍性が、あるいは異質性が存在していることに気付かされ、普遍性だろうと、異質性だろうと、そこに存在し続けるものに対しての理解が深められていくのである。その方法として、本授業の中盤では、韓国語文化圏地域の中で、今の日本と最も交流が活発に行われている韓国を中心に、いろんな局面での現状を探っていく。そこには、直近の韓流ブームの根源となっている韓国ドラマやK-pop、または韓国料理などの内容も含まれる。
最後に、異文化圏地域研究を行う際に、忘れてはならないのは、それが今の日本とどんな関係があるかということである。従って、本授業の後半では、それらの日韓関係の諸側面を探求する。毎回の授業は、まず、教師の提供した資料の解説から始まり、事実の確認・理解が行われ、その現状に到った背景や理由などを皆で考えてみる流れになる。これには、決まった正解がない場合が多く、それらのことを考えてみるのは、韓国語文化圏地域全体への理解、あるいは、日本の現状を概観するのに、大変有効な見方になる。
到達目標
1.韓国語文化圏地域の形成背景およびその現状に対して理解し、その内容を他人に説明することが出来る。
2.韓国語文化圏地域の様々な様相に対して、その背景と理由を理解する。
3.韓国朝鮮に関連する政治・経済・社会・文化・言語・歴史などへの理解を深める。
4.韓国語文化圏への理解を通して、日本との共通性や異質性を見出す。
履修のポイント及び留意事項
韓国語文化圏全般に対する内容になるので、歴史や地理、国際関係などにも関心を持つことが望ましい。
講義日程

テーマ内容
第1週講義概要説明本授業の概要及びその趣旨、目標などを説明する。
第2週韓国語文化圏地域の政治韓国朝鮮を中心に、政治制度の外観、その経緯などを理解する。
第3週韓国語文化圏地域の経済韓国朝鮮を中心に、その経済状況を概観し、現状に至った経緯やその理由などを理解する。
第4週韓国語文化圏地域の文化韓国朝鮮を中心に、文化の多様な側面をいくつか例示し、その文化を生み出した背景や理由などを調べる。
第5週韓国語文化圏地域の言語韓国語文化圏地域の共通言語である韓国語(ハングル語)のいろんな特徴を概観し、その言語の生まれた背景、それ以前には何があったのか、などを理解する。
第6週韓国語文化圏地域の歴史Ⅰ韓国語文化圏を生んだ朝鮮半島の歴史を、古代から近世まで簡単に概観し、その歴史の背景や流れなどを理解する。
第7週韓国語文化圏地域の歴史II朝鮮半島の近現代の歴史を簡単に概観し、今の韓国朝鮮を存在せしめた直近の時代背景、その時代を生き抜いた韓国朝鮮人像を探る。
第8週韓国の地理について日本人が簡単に行ける韓国語文化圏地域の中心である現代韓国の地理を概観し、その内容を理解する。
第9週韓国の映像文化について未曽有の韓流ブームを引き起こした韓国の映画、ドラマなどの意味、意義などを考察し、その中から見えて来るものを理解する。
第10週韓国の大衆音楽について最近人気を博しているK-pop、その背景には何があって、それが日本で受け入れられる背景には何があるのかを皆で考える。
第11週韓国の食文化について既に日本人の食卓にも自然に上るようになった韓国のいろんな料理は、どのようなプロセスを経てそこまで至ったのかを検証し、その背景を皆で考える。
第12週ソウル事情韓国語文化圏の正に中心といえるソウルのいろんな現地事情などを調べ、そこから見えて来るものを皆で考える。
第13週韓国の若者文化同世代の韓国の若者は日々何を考え、何を楽しみ、何に興味を持ち、生きているのかを探る。
第14週韓国の観光スポット広く知られた観光スポットやあまり知られていない観光スポットなどの中でいくつかをピックアップし、その内容やポイントを調べる。
第15週テスト授業を通して取り上げられたテーマのうち、四つのテーマに対して、決まった時間内に記述する筆記テストを行う。


他の授業科目との関連
特になし。
評価方法
出席状況、授業への積極性、レポート提出、テストの結果などを勘案し、総合的に判断する。
教科書
特になし。
参考図書
地球の歩き方—韓国—、趙格差社会・韓国、韓国現代史(岩波新書)、韓国・北朝鮮の嘘を見破る—近現代史の争点30、朝鮮民族を読み解く、日本による朝鮮支配の40年、わかりやすい朝鮮戦争—民族を分断させた悲劇の構図、韓国男性に恋してはいけない36の理由、この他は授業時に提示する。