講義コード 942EA
講義名 国際文化論
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 秋学期
講義区分
基準単位数 2.00
時間 0
代表曜日 火曜日
代表時限 1時限
開講学科 国際文化学科
必選別 選択必修
履修セメスター 第2セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
教授 ◎ 真下 仁 (指定なし)

講義概要
世界のグローバリゼーションの中で、わが国日本も大きな変革をせまられて久しいが、その痛みの中でなかなか改革も進展していないように見える。しかし、実際には根底で大きな変化の兆しが見られることを忘れてはならないが、それが必ずしも<格差>の拡大のように、良い方向に向かっているわけではないことに注意しなければならない。
そこで、この授業では、国際文化学科に入学した学生に対して、国際文化に関する基本的な知識を教えることが目的となっているが、同時に、自分たちが生活しているこの日本という国を学生一人一人に理解してもらうことも重要なテーマとなっている。なぜなら、経済大国である日本にとって、その生命線を維持するためには、世界の動向をしっかり把握することが必要であり、<文化>のダイナミックかつグローバルで、常に国家等の枠組みを超えて展開するエネルギーを肌で感じなければならない。世界という広がりの中で、一つ一つの、一見純粋に地域的・局所的なように見える<文化>がいかにグローバルに結びついているかを理解することが重要となるからである。
到達目標
世界を理解するための基本的な考え方や分析の方法を学修することを通して、自分達の国である日本を、世界の中の日本として理解してもらいたい。
特に、グローバル化された世界において、人類が、地球という限られた空間の中で生きて行くためには、<共生モデル>の構築が不可避であることを、学生一人ひとりに理解させることを目標とする。
履修のポイント及び留意事項
日本文化、アメリカ文化等、文化というものが個々別々に独立した形で理解される傾向があるが、この講義を通して文化同士がいかに交流・交差して現在の形になったのか理解することが重要である。
講義日程

テーマ内容
第1週講義の概要講義の全体的な展望。講義の展開、評価方法、レポートの書き方等。
第2週<文化>の意味1文化cultureとは何を意味するのか。自然と対置される文化。文化人類学が教える文化への理解。
第3週<文化>の意味2文化の諸相を考える。対抗文化や脱工業化時代の文化等の分析を通して文化の自己運動を考える。
第4週<文化>の意味3全ての文化は混血である。一つの文化は、それ自身すでに他の文化との交流のもとに形成されたものである。この視点から、国際文化を再考する。
第5週<国際>の意味1国際internationalという語に秘められた血塗られた歴史。国際という言葉の意味。<国家Nation>を超える意味とマルクス等のインターナショナルの関係。
第6週<国際>の意味2国民国家が示す対立、係争の過去。近代国家成立の歴史と矛盾の分析。矛盾は、国民国家に固有なもので、その解消は不可能なのか。
第7週<国際>の意味3国際文化とは、以上のような過去に刻印された言葉として、必ずしも歓迎されるものではない。紛争と戦争に彩られた国際文化という理念の確認。
第8週ビデオ鑑賞+理解度を計る小テストボスニア・ヘルツェゴビナの内戦を扱ったビデオ鑑賞。レポート(感想文の)提出。具体的な国際文化の理解。レポートの書き方の指導も同時に行う。
第9週国際文化の理解1<国際文化>という、今まで特に政治的・経済的な桎梏に取り込まれ、操作されてきた言葉を、新たな意味付けのもとに理解する。
第10週国際文化の理解2地球が、人間に対して相対的に小さくなった今日、新たな地球上での共生を前提とする、国家や文化の関係の再構築の必要性を考える。
第11週共生の国際文化論1地球的規模の共生と共存を明確なテーマと設定し、そこから未来に向かって国際的に通用する文化を考える。
第12週共生の国際文化論2ハンガリー・オーストリア帝国や旧ユーゴスラビアを例に、多民族、多宗教の世界での共存について考える。
第13週共生の国際文化論3多文化主義を分析することで、新たな国際社会の共生の可能性を探る。地域主義等、共生に向けて、国家に縛られ続けてきたアイデンティティを開放する。
第14週共生の国際文化論4グローバリゼーションを、自由競争だけでなく、地球規模での環境等への対応と言う視点から捉えなおし、共生の国際文化論の立場から日本という国の今後を再確認する。
第15週まとめ+小テスト理解度を計る小テスト2回目


他の授業科目との関連
各文化圏地域研究で、内容の細部は展開されるので、各種文化圏地域研究を並行して受講してほしい。
評価方法
出席と参加40%、理解度を計る小テスト20%、最終レポート30%
教科書
なし
授業に合わせてプリントを配布。
参考図書
各テーマに沿って逐次授業のなかで紹介する。
オフィスアワー(授業相談)
授業や会議以外の時間はいつでも質問や相談に乗ります。