講義コード 1004A
講義名 観光学概論I
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 春学期
講義区分
基準単位数 2.00
時間 0
代表曜日 金曜日
代表時限 3時限
開講学科 国際文化学科
必選別 選択
履修セメスター 第1セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
教授 ◎ 宮内 順 (指定なし)

講義概要
 観光の起源は、古代ローマ時代に遡る。古代ローマでは遠来の旅人を歓待するホスピスという社会的なルールがあり、これが今日のホスピタリティの語源となったと言われている。また、人類の歴史は、地理的世界の拡大と言い換えることができるが、地理的世界の拡大は、マルコポーロやコロンブスといった先人たちの壮大な旅によってよってもたらされた。
 今日の社会においても、観光の役割はきわめて大きい。観光がもたらす経済的あるいは社会的な効果はもとより、個人の生き方あるいは思想にも旅のはかりしれない影響を見ることができる。今日、日本からは年間1600万人が海外に出かけ、700万人の外国人旅行者を迎えているが、国際化時代とはまさに、観光の時代であることは言うまでもない。
 この講義では、今日の社会で観光が果たしている役割を検証しながら、観光の歴史、観光の現状、さらに観光の課題に言及する。なぜ、人は旅をするのか、そして、ひとりひとりの旅の集積が、人類の歴史にどのような影響を与えたのか、さらに、21世紀の旅はどのように変容するのかを、具体的な事象を通じて考察することにしたい。

到達目標
(1)今日の社会で観光が果たしている役割について学修し、観光の重要性を把握する。
(2)観光の歴史を学び、人類の歴史に観光がどのように関わっているかを理解する。
(3)観光産業の現状と課題を学び、これからの観光産業のありかたを考察する。
履修のポイント及び留意事項
(1)観光学概論Ⅰ及びⅡは、すべての観光系科目の基礎となる科目として設定している。観光に関心のある人は、必ず受講していただきたい。
(2)東海大学観光学部に編入希望の学生は必ず履修すること。
講義日程

テーマ内容
第1週観光の社会的役割(1)観光の現状
(2)観光の語源
(3)観光の経済的・社会的・文化的効果
(4)観光産業
第2週観光のはじまり(1)古代の旅
(2)ホスピタリティの誕生
(3)シルクロードの歴史
(4)中世の旅
第3週大航海時代の旅(1)マルコポーロの旅
(2)インド航路の発見
(3)コロンブスとマゼラン
(4)地理的世界の拡大
第4週日本の旅(1)平安時代の旅
(2)鎌倉・室町時代の旅
(3)江戸時代の旅
(4)伊勢講の発展
第5週近代観光の成立(1)イギリスの産業革命
(2)近代観光の背景
(3)トーマス・クックの登場
(4)豪華ホテルの時代
第6週旅行会社の誕生(1)旅行会社のルーツ
(2)戦前の旅行会社
(3)大手旅行会社の誕生
(4)東京オリンピック
第7週マスツーリズムの時代(1)団体旅行の拡大
(2)大量輸送時代の到来
(3)パッケージツアーの登場
(4)パッケージツアーの影響
第8週オルタナティブツーリズム(1)マスツーリズムへの批判
(2)オルタナティブツーリズムの提唱
(3)エコツーリズム
(4)グリーンツーリズム
第9週観光産業の現況(1)観光産業の概況
(2)観光産業の発展
(3)観光産業の課題
(4)これからの観光産業
第10週航空産業の現況(1)航空機の誕生と発展
(2)空の自由と2国間協定
(3)ジャンボ機の導入
(4)規制緩和
第11週宿泊産業の現況(1)ホテル産業の現状
(2)ホテル・チェーン
(3)宿泊産業の課題
第12週インバウンドの現状と課題(1)インバウンドの歴史
(2)インバウンドの現状
(3)インバウンドの課題
(4)インバウンドと観光政策
第13週次世代の観光(1)インターネットの影響
(2)高齢化社会
(3)旅行重要の成熟
(4)環境問題の深刻化
(5)地域活性化への期待
第14週着地型観光(1)発地型観光の限界
(2)着地型観光とは
(3)着地型観光の現状
(4)着地型観光の課題
第15週テスト観光学概論Ⅰのテスト


他の授業科目との関連
具体的な旅行業務、ホテル業務については、「ツーリズム演習」「ホテルビジネス」「ツアーマネジメント」「エアラインビジネス」を受講すること。
評価方法
テスト(30%)、課題(20%)、出席状況(30%)、受講態度(20%)により評価する。
教科書
教科書は使用せず、授業中にプリントを配布する。
参考図書
観光学への扉(学芸出版社)、観光学辞典(同文館)
学生へのメッセージ
この授業は、観光関係の科目の基礎となるものです。観光に関心のある人は、必ず受講してください。