講義コード 0306J
講義名 エコツーリズム論
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 秋学期
講義区分
基準単位数 2.00
時間 0
代表曜日 木曜日
代表時限 4時限
開講学科 国際文化学科
必選別 選択
履修セメスター 第4セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
非常勤講師 ◎ 柏木 翔 (指定なし)

講義概要
 本講義では、エコツーリズムの目的、特徴、構成、効果、考え方をエコツーリズム産業全体の視点から探る。また観光産業全体が担う環境・歴史・文化の保全の役割も言及していく。元来、観光活動は自然や歴史文化を重要な観光資源として利用してきた。しかし、近代化や観光の大衆化とともにそれら観光資源への配慮を欠いた行動、そして荒廃の原因と認識されるまでになってしまった。そこで20世紀末以降、エコツーリズムは自然環境、伝統文化、歴史遺産を守り、持続可能な利用を体現する実践的活動として期待されている。
エコツーリズムは旅行会社などの観光事業者側本位ではなく、受け入れる地域コミュニティーが主体となり観光発展を進めていく考え方である。そのため、エコツーリズムでは地域経済の貢献などの直接的な地域住民への還元が果たされなければならない。旅行会社、宿泊施設、交通機関等の観光事業者はエコツーリズム観光産業システムに欠かせない存在として、施設開発から運営に至る全ての過程で持続可能性を追求することが重要である。また旅行者は、環境・伝統文化保全への意識を持つ能動的な当事者として、地域固有の体験をすると共に、ガイドなど有識者からの学びにも従事する。このようにエコツーリズムでは地域住民・観光事業者・旅行者この三つの立場の調和及び、それぞれの利益と保全の調和が必要不可欠である。
授業内では様々な相違点の知得を目的に、世界各国や日本各地で行われている実例を取り上げる。
到達目標
1エコツーリズムの意義の理解
2エコツーリズムと他の観光活動の相違点の把握
3エコツーリズム産業システムの理解
4エコツーリズムの自然環境及び伝統文化保全、経済的貢献への役割を認識
5日本や世界のエコツーリズムの現状を把握し、具体的な取り組みについて理解
履修のポイント及び留意事項
エコツーリズムは観光産業の幅広い分野を包括しているため、
旅行・交通・環境・宿泊等観光を取り巻く様々な分野に興味のある学生に履修してもらいたい。
また「参加型」の授業を展開していくため、積極的に発言や意見をしてもらいたい。
講義日程

テーマ内容
第1週ガイダンス授業の紹介・エコツーリズムの紹介
第2週エコツーリズム‘エコツーリズム’という考え方とその他のツーリズム
第3週エコツーリズムと環境資源なぜ今の時代にエコツーリズムが必要なのか?
環境的問題へのアプローチ
第4週エコツーリズムと歴史文化資源なぜ今の時代にエコツーリズムが必要なのか?
歴史文化的問題へのアプローチ
第5週エコツーリズム産業エコツーリズムを取り巻く様々な観光産業
エコツーリズム産業システムを把握
第6週エコツーリズムと観光客観光客自身の変化と多様化、参加体験型観光
エコツーリスト
第7週エコツーリズムと地域住民地域固有資源の利用、地域住民の参加、地域経済の活性化、
地域住民への還元
第8週エコツーリズムガイドガイド(インタープリター)の役割、育成プログラム、
資格制度
第9週エコツーリズムと旅行会社旅行会社(ホールセラー、レテーラー等)の立場から見たエコツーリズム。利益と資源保護の調和
第10週エコツーリズムと宿泊施設エコツーリズムにおける宿泊施設の影響と役割
エコリゾートとは
第11週エコツーリズムと交通機関エコツーリズムにおける交通機関の影響と役割
目的地内の交通と目的地着の交通
第12週エコツーリズムと観光開発着地型観光に根差したエコツーリズムの必要性
開発プロセスとガイドライン
第13週エコツーリズムの実践各自でエコツアー目的地を選び、エコツアーを企画し、プレゼンテーションを行う。
第14週エコツーリズムの未来エコツーリズムの課題と今後の発展
推進体制と産業全体として包括的発展の必要性
第15週まとめと復習全授業のおさらい、試験対策


他の授業科目との関連
「観光学概論」、「レジャー&ツーリズム概論」及び「観光とレジャー」等で観光の基礎を学んでおくことが望ましい。
評価方法
出席15%、授業貢献度(発言、参加、態度等)15%、課題30%、テスト40%
教科書
使用しない
参考図書
特になし
授業用E-mail
kashiwagi@ftokai-u.ac.jp