講義コード 0422J
講義名 観光メディア論
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 秋学期
講義区分
基準単位数 2.00
時間 0
代表曜日 水曜日
代表時限 3時限
開講学科 国際文化学科
必選別 選択
履修セメスター 第4セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
非常勤講師 ◎ 宮内 順 (指定なし)

講義概要
 旅行商品は「目に見えない商品」と言われているが、それは購入時には、日程表などの書類をもらうだけで、サービスの完了は旅行の終了を待たねばならないからである。つまり、旅行商品とは予約情報や契約条件など、情報を集合したものであり、それだけに観光でメディアの果たしている役割はきわめて大きい。
 観光メディアの発展とともに、旅行商品の造成と流通、さらに販売は大きく変容した。パッケージツアーの開発により、旅行の大衆化が進んだが、それはメディアの功績と言ってもよい。やがて、メディアが商品販売の主役に躍り出ることになり、店舗販売に代わって、無店舗販売が一般化する。マスコミでさまざまな形で旅が取り上げられるようになり、「大旅行時代」が到来した。
 1990年代の後半には、インターネットが一気に拡大し、観光の様相も一変する。航空会社やホテルなどの直接販売が進む一方で、インターネットだけで旅行商品を販売するバーチャルエージェントが登場、従来型の観光産業の苦戦が明らかになる。消費者は、既成の旅行商品に飽き足りず、自らの足で歩き始めるようになったが、それを可能にしたのが観光メディアの発達である。
 いまや、観光の主役は、観光メディアにあると言ってもよい。この講義では、観光メディアとは何か、そして、観光メディアの果たしている役割を明らかにすることで、観光産業の現状にアプローチする。
到達目標
(1)観光におけるメディアの役割を理解することができる。
(2)観光の発展にメディアがどのようにかかわっていたかを把握することができる。
(3)インターネット時代を迎え、インターネットが観光に与える影響について学ぶことができる。
(4)メディアの発展により、これからの観光の可能性について考えることができる。
履修のポイント及び留意事項
(1)他の観光関係の科目を履修し、観光について基礎知識を学んでおくことが望ましい。
(2)この授業では、ホスピテリティに必要な社会人としてのルール、マナーを身につけることを重視しており、出席状況、受講態度については厳しく指導する。
講義日程

テーマ内容
第1週観光とメディア(1)観光とメディア
(2)メディアの歴史
(3)メディアの現状
(4)代表的な観光メディア
第2週観光メディアの役割(1)メディアの種類
(2)観光の特性
(3)観光メディアの役割
(4)観光産業とメディア
第3週観光メディアの歴史(1)ガイドブックの誕生
(2)ベデカーとマレー
(3)日本のガイドブック
(4)旅行雑誌
第4週旅行会社のメディア戦略(1)(1)旅行会社のメディア戦略
(2)メディア販売の背景
(3)メディア販売の歴史
(4)メディア販売の特質
第5週旅行会社のメディア戦略(2)(1)メディア販売の影響
(2)メディア販売の課題
(3)メディア販売の今後
(4)インターネットとメディア販売
第6週航空会社のメディア戦略(1)CRSとGDS
(2)FFP
(3)航空会社の広報戦略
(4)インターネットと航空会社
第7週宿泊施設のメディア戦略(1)(1)宿泊施設の流通構造
(2)インターネット予約の拡大
(3)旅の窓口の誕生
第8週宿泊施設のメディア戦略(2)(1)楽天トラベルの発展
(2)インターネット宿泊予約の今後
(3)ホテル情報誌
(4)ホテルの課題
第9週政府観光局のメディア戦略(1)観光局とは
(2)観光局の役割
(3)主要な観光局
(4)観光局の情報戦略
第10週観光ガイドブックの現状(1)ガイドブックの現状
(2)観光雑誌
(3)地図の歴史
(4)インターネットの発展
第11週観光専門誌の世界(1)旅行専門誌の役割
(2)航空関係の専門誌
(3)ホテル関係の専門誌
(4)航空時刻表
第12週コンピュータ予約システムの発展(1)CRSの背景
(2)CRSの発展
(3)GDSの成立
(4)世界のGDS
(5)予約ビジネスの今後
第13週インターネットと観光産業(1)バーチャルツーリスト
(2)トラベロシティとエクスペディア
(3)ロンリープラネット
(4)日本の状況
第14週次世代型観光と観光メディア(1)マスツーリズム批判
(2)オルタナティブツーリズムの提唱
(3)着地型観光の考え方と観光メディア
(4)次世代の観光産業
第15週観光メディアのまとめ(1)観光メディアの役割
(2)観光メディアの発展
(3)観光メディアの影響
(4)観光メディアの今後


評価方法
テスト(40%)、提出課題(20%)、出席日数(20%)、受講態度(20%)により評価する。
教科書
教科書は使用せず、授業中にプリントを配布します。
参考図書
観光学への扉(学芸出版)、観光学辞典(同文館)
学生へのメッセージ
今日の社会で、メディアの果たしている影響は非常に大きく、この講義ではとくに観光という分野におけるメディアを取り上げますが、メディアに関心のある人はぜひ受講してください。