講義概要 |
今やコンピュータグラフィックスと言えば3次元を指すほど3DCGは一般的になった。かつてシリコングラフィックス社(SGI)のワークステーションがないと高度な3DCG制作には大変な時間と労力を必要としたことが、パーソナルコンピュータの性能が飛躍的に向上することで手軽に3DCG制作を行うことができるようになった。
そんな訳でコンピュータグラフィックスの主流は3Dになり、産業界でも3DCGを多用するようになっている。この実習ではフリーソフトウェアでありながら他の追随を許さないPOV-Ray(ポブレイ)を使って3DCGの制作を行いながら2次元CGと3次元CGそれぞれの長所短所を把握し、コンピュータを用いた画像や映像生成の基本的素養を身につける。
この授業では実習を通して、ray-tracing(レイトレーシング)とは何か、どのように処理するのか、POV-Ray(ポブレイ)とは、POV-Ray(ポブレイ)とレイトレーシングとの関係などについて学ぶ。
実習後半ではエクスツール社のSHADEを使って3DCDの制作を行いながら2次元CGと3次元CGそれぞれの長所短所を把握し、コンピュータを用いた画像や映像生成の基本的素養を身につける。なおSHADEは世界に誇る福岡発の3DCGソフトウェアである。
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到達目標 |
3次元CGの基本概念を理解し、POV-RAYとSHADEによる基本的なモデリングを行うことができる。 |
履修のポイント及び留意事項 |
2次元CGは絵画のイメージで制作されるが、3次元CGは彫刻や陶芸のような立体造形であることを理解するのが大事である。 |
講義日程 |
3次元CG
週 | テーマ | 内容 |
第1週 | 2次元と3次元CGの違い | 2Dと3Dの違い、3DCGの特徴、POV-Rayとは何かの解説と実習 | 第2週 | POV-Rayで形を作る | フリーソフトウェアPOV-Rayの画面構成と基本操作 | 第3週 | さらにいろいろな形を作る | 球、立方体、円すい、円筒へ応用 | 第4週 | 座標変換(1) | オブジェクトの移動、拡大・縮小、回転と背景の作成 | 第5週 | 座標変換(2) | オブジェクトの移動、拡大・縮小、回転と背景の作成 | 第6週 | 集合演算 | 単純な物体を組み合わせて複雑な物体を作成する | 第7週 | POV-Ray応用制作 | 内服薬カプセルのあるシーンの制作 | 第8週 | SHADEで人形制作 | 台、屏風、胴体、頭部、表面材質設定、カメラ透視図の設定 | 第9週 | 木製のテーブル制作 | 「テーブルとスツールがある部屋」の制作 | 第10週 | 室内シーンのレイアウト | テーブルとスツールを部屋のデータの中に配置し室内シーンを作成する | 第11週 | マグカップの制作とマッピング | 回転と挿引によるマグカップの制作とテクスチャーマッピングを行う | 第12週 | ガラスのコップ | 透明なガラスのコップ2種の制作 | 第13週 | ソフトドリンクのボトル | ボトルの口とキャップのマッピングがポイント | 第14週 | 自由課題の制作(1) | シーンの決定とデッサン、モデリング | 第15週 | 自由課題の制作(2) | モデリングとレンダリング |
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他の授業科目との関連 |
2次元CGを履修することが望ましい。
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評価方法 |
提出課題の技術レベルで評価する。 |
教科書 |
使用しない |
参考図書 |
特になし |