講義コード 9939A
講義名 経済と国際社会
(副題)
開講責任部署 全体
講義開講時期 春学期
講義区分
基準単位数 2.00
時間 0
代表曜日 火曜日
代表時限 2時限
開講学科 両学科
必選別 選択必修
履修セメスター 第1セメスター
その他
担当教員

職種 氏名 所属
教授 ◎ 貝田 翔二 (指定なし)

講義概要
2008年9月に米国のサブプライム・ローン問題が終端を迎え、リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)した。これに連動して世界的な金融危機に移行し、当時まで米国経済の舵取り(かじとり)を行っていたアラン・グリーンスパン前FRB議長はこの状況を「100年に一度の大津波」と表現したほどの激震となった。

 世界不況が進行すると世界中でケインズが復活した。2000年以前まではケインズはばらまき財政の生みの親などとして経済学の世界で存在感を弱めていたが、この危機を乗り越える手掛かりはジョン・メイナー・ケインズの処方箋であるとして、さまざまな経済の危機に直面したニクソン前アメリカ大統領や伝説的な投資家ジョージ・ソロスなどもケインズに学べと指摘している。

 本講義では市場の暴走による世界経済の破綻において何が起こったのかについて学び、経済が機能しなくなったとき何をなすべきかを考える。
経済は生き物であり、人間の欲と密接に絡み合っている。時々刻々と変化し、止まることをしないこの世界で、何が起きているのかを把握し、対処すべき最良の手段は何かを考える。このようなときに頼るべきもののひとつに経済理論がある。景気循環を前提にする資本主義経済を理解するためにケインズが唱えた「有効需要の理論」や「イノベーション」という概念を唱えたシュンペータについても学ぶ。
到達目標
到達目標を具体的に書くと概略以下のようななる。
(1)経済を見る視点とはどのようなものがあるかを理解する。景気が良くなっているのか、まだまだ先が見えていないと判断されるのかどのような物差しで経済の状況を見ているのかを理解できるようになる。

(2)市場経済という経済システムはどのようなもので、その対極にある計画経済とうはどう違うのかについて理解できるようになる。

(3)為替の仕組みと世界の経済の流れについて理解できるようになる。円高・円安が日本経済および国際経済にどのような影響があるのかを理解できるようになる。

(4)金利とは何かについて理解できるようになる。物価のコントロールと金利の関係について理解できるようになる。

(5)今現在の経済状況に対するニュースがよくわかるようになる。
履修のポイント及び留意事項
毎回の講義のノートを取ること。これにより短期間に集中してまとまった領域の理解ができるようになるので必ずノートを取ること。
講義日程

景気
テーマ内容
第1週経済をみる視点マクロ経済
ミクロ経済
さまざまな経済指標
付加価値としてのGDP
景気の周期
景気判断の指標
第2週経済の仕組み市場経済という経済システム
市場経済の対局にある経済システム
市場経済における政府の役割
通貨とは
日本銀行
マネーサプライとは
第3週為替の仕組み円高と円安
為替、為替レート
第4週変動相場制と固定相場制変動相場制と固定相場制
基軸通貨
金本位制
IMFと世界銀行
ニクソンショック
通貨切り下げ
第5週デリバティブとヘッジファンド先物取引
リスクヘッジ
オプション取引
デリバティブ
派生取引と現物取引
ヘッジファンド
第6週ヘッジファンドとポンド危機EMS (欧州通貨制度)
イギリスがEMSに参加したときの 経済状況
通貨の価値を上げると インフレが抑えられる?
通貨の価値を高める 一つの方法!
ドイツが金利を上げていたのは なぜ何故?
ポンド危機の背景
ヘッジファンドの戦法
第7週ヘッジファンドとポンド危機EMS (欧州通貨制度)
イギリスがEMSに参加したときの 経済状況
通貨の価値を上げると インフレが抑えられる?
通貨の価値を高める 一つの方法!
ドイツが金利を上げていたのは なぜ何故?
ポンド危機の背景
ヘッジファンドの戦法
第8週アジア通貨危機プラザ合意によるアジア経済の発展
ドルと円の為替相場の推移
プラザ合意による円高不況
日本企業のアジア進出
ドルペッグ制
アジア経済が発展したのは
ドルペッグ制とドル安政策
新興市場国とは
経常収支
1990年代の アジアの経常収支は赤字
1995年の異変
第9週アジア通貨危機プラザ合意によるアジア経済の発展
ドルと円の為替相場の推移
プラザ合意による円高不況
日本企業のアジア進出
ドルペッグ制
アジア経済が発展したのは
ドルペッグ制とドル安政策
新興市場国とは
経常収支
1990年代の アジアの経常収支は赤字
1995年の異変
第10週ヘッジファンドとレバレッジヘッジファンドとレバレッジ
レバレッジ ケース(1~2
第11週タイの通貨危機経済は感情で動く!
ドルペッグ制から ついに変動相場制へ
世界同時株安
アジア通貨危機後のアジア経済
第12週ロシア危機とヘッジファンドの危機ロシアという国
ロシアは大量に お札を刷らなければならなかった?
1998年のデノミ
1996年以降はロシアの物価は 落ち着いた
ロシアの国債
ロシアがハイパーインフレを 抜け出せた理由
ロシアのデフォルトが世界恐慌を引き起こそうとした
LTCM
なぜIMFはロシアに資金提供を止めた
LTCMの破綻と世界恐慌
第13週ロシア危機とヘッジファンドの危機ロシアという国
ロシアは大量に お札を刷らなければならなかった?
1998年のデノミ
1996年以降はロシアの物価は 落ち着いた
ロシアの国債
ロシアがハイパーインフレを 抜け出せた理由
ロシアのデフォルトが世界恐慌を引き起こそうとした
LTCM
なぜIMFはロシアに資金提供を止めた
LTCMの破綻と世界恐慌
第14週これからの世界中南米危機
どうすれば投機の攻撃を避けられるか
ケインズとシュンペーターに学ぶ
第15週試験試験

市場経済

円高、円安

変動相場制と固定相場制

デリバティブとヘッジファンド

ヘッジファンドとポンド危機

アジア通貨危機

ヘッジファンドとレバレッジ

タイの通貨危機

ケインズとシュンペーターに学ぶ


他の授業科目との関連
なし
評価方法
試験得点(40点)、講義内容の記録状況(ノート)を確認(40点)、レポート提出状況および出席状況を元に総合的に評価
教科書
指定せず。
参考図書
なし
学生へのメッセージ
受講して将来にわたり役に立つ講義です。ぜひ受講して世界的な視点からの日本を見つめなおす機会としてください。